脱出のトライアングル -シーズン1「発症から苦しみの道程」ー②謎の体調不良が続く

 2017年1月に人生で初めてのパニック発作を引き起こした僕は、

 

パニック発作ってすごい苦しいんだな、、、死ぬかと思った」

 

と死の恐怖に直面してた。

 

これは経験しないとわからない苦しみと恐怖であった。

 

医療従事者として、何人もパニック発作の方を見てきたが、その苦しみを理解できない自分がいた。

 

異常な頻脈と不整脈、呼吸ができないほど苦しい過呼吸、、、冷汗、、、

 

本当に苦しい発作であった。

 

 

しかし、その日は、パニック発作を起こしたのにも関わらず、一睡もしないまま仕事の打ち合わせに向かった。

 

何故、病院を受診しなかったのか、、、

 

仕事人間である自分は、大事な打ち合わせの方がその時は大切だったからである。

 

その後の、パニック発作から自律神経失調症うつ病へとつながる自分の状態を知っていたら、まっさきに病院を受診して適切な治療や生活習慣の見直しができて、悪化を未然に防げたかもしれない、、、人生を大きく変える出来事も起こっていなかったかもしれない。

 

これも運命なのか、、、

 

パニック発作を起こした僕は、当然体調は優れなかった。

 

顔面の硬直、異常な寒気、虚脱感、脱力感、浮遊感、のどの違和感、、、こんなに身体的な不調もあるのに、仕事だけはノルマをこなしていった。

 

出張が終わり、自宅に帰宅しても上記の体調不良は続いている。

 

(お腹の痛みは自然と消えていたが、何かの拍子に出現してくることがあった。)

 

特に、喉の違和感が強く、水を飲んでも何をしても消えることはなかった。

 

「これはいったい何だろうか」と疑問を持ち調べてみると、

 

喉の違和感、、、これは「ヒステリー球」と呼ばれるものらしい。うつ状態自律神経失調症など精神的なストレスなどで現れる症状の一つであるらしい。

 

「精神的な問題か、、、自分は大丈夫だろうか、、、いや、大丈夫、大丈夫そのうち良くなる。」

 

と自分の体の異常気づきながらも、時間が経てば治ると安易に考えていた。

 

それよりも、仕事が山積みだったから、何よりも仕事、仕事、仕事、仕事優先にしながら、過ぎ去るのを待っていた。

 

おそらく、この時は、自分の体の異常が怖かったのだろう。

 

自分がパニック発作を起こし、うつの症状があるのが怖く受け入れられなかったのだと思う。

 

だから、自分は大丈夫、自分は大丈夫と虚勢を張り、適切な病院を受診しなかったのだろう。

 

また、当時の妻にも相談するのが怖かったのもある。

 

「妻に相談したところで、無視されるか、流されて終わりだろう。無理でも病院受診させる人でもないし、心配もかけたくないから相談しても無駄だな。」

 

と、誰にも相談しないまま時は過ぎていった。

 

症状があったに何故、誰も相談しなかったのか、、、

 

これは、自分に不調に気づかれるのが怖く、また、相談したことで自分が病気であることを受け入れるのが怖かったのと、その時の仕事のプロジェクトから外されるが怖かったのが原因と思う。

 

仕事が楽しくして、やりがいがあり、生きがいであった。

 

そんな仕事と離れるのが怖かった。

 

妻や同僚に心配されるが怖かった。

 

周りから変な目で見られるのが怖かった。

 

今まで、職場では一位、二位で突っ走ってきたプライドが崩れるのが怖かった。

 

自分ならそのまま体調が良くなるだろうと、自分は大丈夫という無駄な自信。

 

今まで自分はどんなことでも乗り越えられたという無駄な自信。

 

上記のすべてが理由で誰にも、どこにも相談しないまま、

症状がある中でも、僕は変わらず休みなく仕事をしていった。

 

恐怖感と僕なら大丈夫という自信、、、これが僕の治療を遅らせていった。

仕事へのプライドも治療を遅らせる原因であった。

 

 

 

今でも鮮明に覚えている症状としては、妙にハイテンションであった。

 

いつでもどこでもハイテンションであり、いつでもどこでも頭に血が上っている状態であった。

 

言い換えれば、のぼせている状態であった。

 

 

(これもうつの症状らしいことが後からわかった。うつ病自律神経失調症により、自律神経のバランスが崩れ、交感神経が優位になりのぼせやほてりなどがあるらしい。)

 

ハイテンションであったから、仕事もハイになりながら続けていた。

 

逆に、妙に人前で緊張もするようになった。

 

今まで、プレゼンや講演などあまり緊張することがなかった僕が、人前などで妙に緊張していた。

 

そして、その緊張を隠そうと、常に強がっていた。

 

また、すぐにイライラしてしてしまうのもこの時からあった。

 

人のミスや業務進捗具合に常にイライラしていた。

 

「なんでできないの?すぐにやらないとダメだよ!」

 

、と今まで言ったことがないような言葉を発することや、常に胸の中がモヤモヤ、イライラが充満している状態であった。

 

(このイライラも、うつの症状の一つであるらしい。イライラは、「衝動性の亢進」や「情動の不安定」であるために、うまくコントロールしないと、イライラして相手や物に当たってしまい、人間関係がうまくいかないことや、物を壊してしまうことがあるらしい。)

 

このようなイライラの本当の原因を知らない僕は、仕事でうまくいってない、周りが僕についてきていない、、、などと自分勝手な理由をこじつけてしまい、自分を追いつめていくことになる。

 

この状態が、3か月続いた。

 

体調は良くない、イライラする、ピリピリする、、、人間関係も壊れそうになった時もある。

 

相手が冷静な対応をしてくれたから良かったものの、今となっては救われたと思っている。

 

そのくらいうつ病のイライラは、同僚や家族、友人に対して影響を及ぼすものである。

 

医療従事者であろうと、専門的に勉強していないと病気についてわからないことがたくさんある。

 

特に精神的な症状は、難しいものであると今になって思う。

 

うつ病という自覚がなく、自分は大丈夫と思っているからなおさらである。

 

その時に、もし適切な病院に受診していたら、どのような人生になっていただろうか。

 

結局はうつ病になり、今のような経過をたどるのだろうか。

 

今は、うつ病になって良かったとは思わないけど、人生を見直す良いチャンスなのかなと思っている。

 

そうチャンスと思えているなら幸せです。

 

今まで、仕事や家庭のことがありしたいこともできなかった。

 

今は、病気を持っているが自由といえば自由、やりたいことができる。

 

そう思えるだけで幸せですね。そう幸せなのです。

 

 

・・・パニック発作に襲われて、その後の体調不良が続き、イライラ、ピリピリが続き、、、

 

さらには、パソコンのメールの文字やテレビの字幕について、読めるのだが、頭に入ってこなくなってきた。

 

うつ病による集中力の低下があるためらしい。脳の機能低下によって起こるものらしい。ちなみに今でも時々あります。)

 

パソコンや字幕が頭に入ってこない自分に、

 

「俺いったいどうなってんだ???」

 

と、怖くなった。

 

そして、睡眠の変調から、急な落ち込みがやってきた。