脱出のトライアングル -シーズン1「発症から苦しみの道程」ー⑪不眠は続く

新しい薬が処方されて、日中の漠然たる不安感や恐怖感はかなり軽減されて、リハビリなどの活動ができるようになった。

 

日中は、午前中は運動などのリハビリをして、午後からは手作業を中心とするリハビリをしていた。

 

また、スマホYoutubeなどの動画も見れるようになり、脳の混乱が少しずつ軽減されていった。

 

動画といっても、字幕はまだまだ頭に入ってこないことが多かったので、好きな格闘技の動画など動きで表現されているような動画を見ていた。

 

うつ病の極悪期の治療の柱は、「休息」+「薬」であることは間違いないと思う。

 

処方された薬を飲み、ベッドや布団に横になり、食べられるときは食べる。

 

薬だけ、休息だけでは症状は改善されていかないと思う。

 

休息と薬を柱とした治療(療養)が大切であると感じた。

 

症状が落ち着いてくれば、自分の好きな動画を見て気分転換していき、なるべく脳を休めることが必要である。

 

運動も本当に軽めの運動で良い。ストレッチや散歩などの軽めの運動も取り入れると、少し気分が和らいでくる時がある。

 

しかし、症状が落ち着いていればの話であり、無理に「運動しなきゃ!」と散歩をしてしまうと症状が悪化してしまう恐れがあるので、あくまで症状が落ち着いたらである。

(先の話しにはなるが、僕は、無理に運動をしてしまい症状を悪化させてしまったことがあるので、注意も必要と思っている。)

 

うつ病で極悪期やうつ病で調子が悪いときには、

 

1、薬をきちんと飲む。

→自分に合う薬を見つけるまでは時間がかかるのが難点である。また、薬の効果は一時的なこともあるが、上手に休息をとるためには薬の力が必要である。

 

2、しっかりと休息をとる。

→薬の力を借りて、しっかりと休息をとる。どのように休息をとるかは個人差が多いが、ベッドや布団で横になることや、脳を休息するためにリラックスできる音楽を聴いたり、好きな動画をみたりしながら世間から少し離れてみる。

 

3、Youtubeなどの動画みる。

→字幕などの脳を使う動画は極力さけて、好きなスポーツなどのただ見るだけの動画を見て過ごす。音声を聞こうとしても脳を使うので、僕は音声を聞かない動画を見るようにしている。

孤独感や孤立感が著しい時は、音声も聞くようにして孤独感を軽減している時もあるが、極力脳を休めるように、動きだけでも楽しめるような動画をみている。

 

うつ病の極悪期や調子が悪い時は、上記の3つが有効であったと経験している。

 

症状が落ち着いてくれば、「本当に軽めの運動」が効果的な時もある。

 

このように薬の効果が現れて、休息ができるようになり、リハビリなどの活動していた。

 

食欲も湧いてきて、病院食も3食たべられるようにもなった。

 

状態が少し落ち着いてきたのに、苦しめられているこがあった。

 

不眠である。

 

不安感や恐怖感、焦燥感などの精神症状や身体的症状が落ち着いたのも関わらず、夜はほとんど眠ることができなかった。

 

医師と相談しながら睡眠薬を調整していて、その時は睡眠導入剤と中期の睡眠薬を内服しているが、不眠が続いた。

 

入眠はできるが、持続的な睡眠を確保することができない状況であった。

 

23時ころに入眠して、深夜1時には覚醒してしまう。

 

その後は全く眠れることができない。

 

追加の睡眠薬をもらうが、一向に効果がなかった。

 

毎日2時間くらいの睡眠で、朝を迎えていた。それが、もう2~3か月続いていた。

 

睡眠薬を使っても眠れない、、、。日中昼寝もできない、、、。どうしたら眠れるのか。」

 

夜眠れないと、自分でも信じられないようなことを考えて不安になったり、過去の苦しかったことや、今後の不安がつきることなく思い浮かび本当に辛い。

 

 

 

不眠によって脳を休めることができないから、症状は落ち着いても毎日非常に疲れている状態になる。

 

うつ病は眠ることができない病気である。

 

眠るということは、安心できる脳環境があってはじめて「眠る」ことができる。

 

うつ病は、大脳辺縁系の不安や恐怖を感じる扁桃体などが活性化している状況なので、安心できる脳環境ではないために「眠る」ことができないと思う。

 

うつ病は眠れる脳環境ではないのである。うつ病は脳の病気であるとつくづく思ってしまう。

 

眠ることができない状況は、人をネガティブにしてしまうし、病気のさらなる進展を加速してしまい、そこから認知の歪みが発生してしまう。

 

この認知の歪みは、自分に自覚がないことが多いので注意が必要である。

 

認知の歪みについては、後ほど書くが、これは自分を客観視できないと歪んだまま生活をしてしまい対人関係や自分の生活に影響を及ぼすことになる。

 

不眠は疲れるし、不安になるし、認知も歪む、、、いいことがない。

 

日中はそれなりに活動してるし、昼寝もしていないのに、夜になると眠れない。

 

どうにか眠れるようになりたい、と思ってもなかなか改善されないのが、うつ病の不眠である。

 

入院して1ヶ月経過して、色々と薬を調整しても、毎日2時間睡眠が続いた。

(今でも時折不眠に悩まされる時がある。)

 

不眠になってから2~3か月経過するが、「良くギリギリでも生活できているな。」と思った。

 

ようやく、少し眠れるようになったのは、入院して2か月くらい経過した時だった。

 

「眠れるようになった」というが、睡眠時間が長くなったことであり、決して質の良い睡眠をとっている訳ではない。

 

当時飲んでいた睡眠薬は、

睡眠導入剤 1錠

・中期型睡眠薬ベンゾジアゼピン系) 2錠

抗不安薬ベンゾジアゼピン系) 1錠

 

寝る前で4錠も飲んでいた。

 

この4錠を飲んで、なんとか5~6時間の睡眠時間は確保できた。

 

しかし、よく夢を見るし、中途覚醒も多々あった。

 

うつ病の病状もあるかもしれないが、ベンゾジアゼピン系は、睡眠の時間は確保してくれるが、良質な睡眠までは確保されないかもしれない。

 

この薬を半年は飲んだが、「ぐっすり眠れた!」と思える日はなかった。

 

不眠は続いていたが、病気が良くなった思い日中の不安や恐怖感は軽減されていたのでリハビリに精を出し、活動的な入院生活を送っていた。

 

この「病気が良くなった。」という思いは、薬で一時的に安定したのであることも知らずに、一喜一憂してしまい、僕の癖である頑張るすぎが発動してしまった。

 

その頑張りすぎが、これからの生活に支障をきたしてしまう。

 

一喜一憂して油断をしていけないがうつ病という病気、、、。

 

そのことを知らずに、色々と頑張りすぎて、後悔していくことになる。